核戦争防止国際医師会議ドイツ支部が以下の声明をホームページで公開したので翻訳を紹介します。

ドイツの医師たちが日本政府の帰還政策に反対して年間1㍉シーベルトの基準に戻すよう要求していることは非常に重大なことだと思います。

あらためてふくしま共同診療所の呼びかける「被曝と帰還の強制反対署名」への
取り組みを呼びかけます。

image


*********************************

IPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部
プレスインフォメーション(2018年4月13日)

◆福島について:言葉には行動がともなわなければならない

strahlenmessung_fukushima_01

◆IPPNW(核戦争防止国際医師会議)は、福島への避難者の帰還について憂慮する

IPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部は、日本政府にたいして、国連人権理事会の要求を迅速に行動に移すよう呼びかける。国連人権理事会は、福島の避難者の権利の強化を求めている。小児科医でありIPPNWドイツ支部の支部長であるアレックス・ローゼン医学博士は、次のように強調している。「われわれから見れば、妊婦や子ども、そして免疫力が低下している人びとや遺伝上がんにかかりやすい人びとといった、とくに放射線に敏感な集団が、年1㍉シーベルト以上の放射線にさらされることがないようにすることは、決定的である」と。

Rosen_Alex_2015_bunt_150px


「したがって、住民が――原発労働者だけが例外的に浴びるような――年20㍉シーベルトもの放射線にさらされることは認めることができない」と。福島での破局的な原発大事故のあと、20万もの人びとが自分たちの故郷を去らなければならなかった。ところが、日本政府はこの人びとを被曝地帯に帰そうとする動きを強めている。この目的のために、日本はこのかん、国際基準である年1㍉シーベルトという限界値を捨て去り、それよりもずっと高い放射線量を示している地帯への帰還を認めている。

とりわけ2019年3月に避難者にたいする財政的支援を打ち切るという脅かしは、人びとを帰還させるための圧力手段として利用されている。公式の避難措置によってではなく2011年に自主的に被曝地域を去った人びとにたいしては、すでに2017年に財政的支援が打ち切られた。日本政府は繰り返し、「日本人は原発大事故の悪夢を過去のものとし、未来を肯定的に見つめなければならない」と指摘している。

大きな国際的圧力が加えられたあと日本政府は、2018年3月16日に「国連人権理事会の勧告〔2017年11月14日のもの――訳者〕を実施に移す」と公表した。国連人権理事会は、福島の避難者の権利の強化を日本政府に求めたのだ。そして国連人権理事会の理事たちは今、「日本政府は言葉を実行に移すべきである」と要求している。具体的に言えば、ドイツ・オーストリア・ポルトガル・メキシコの代表の四つの勧告である。

•ドイツは、日本政府が福島の住民の人権、とりわけ妊婦と子どもの人権を尊重すべきことを指摘した。その際、とくに国際的に普遍的な年1㍉シーベルト基準に戻ること、そして避難者にたいしてそれ以上の被曝線量を求めないことを要請した。

•オーストリアは、日本の当局にたいして、自主避難者にたいして引き続き財政支援をおこなうことを呼びかけた。

•ポルトガルは、移住をめぐる決定のプロセスにおいて女性と男性が平等にかかわるべきであることを指摘した。

•メキシコは、避難者のための健康措置の保証を要求した。

福島では原発の破局的大事故が複数回発生したのであり、それによって拡散された放射能についての公式の発表にもとづいても、日本では今後4000から1万6000の新たながんの発生を予想しておかなければならない(そのうち2000人から9000人の人びとが亡くなるだろう)。ローゼン医師は、「すでに今日において甲状腺がんは目立った増大を示しており、それはいわゆるスクリーニング効果ということでは説明がつかないものである」と述べる。「福島県だけをとってみても、すでに160人の子どもたちが腫瘍の急成長、明確な転移、あるいは重要諸器官に危険が及ぶことなどから手術を受けなければならなかった。しかもそのうちの何人かについては、手術後、悪性のがんが再び活動を開始したため複数回の手術を受けなければならなかった」と。


〔以上〕